« 南 直哉院代 | トップページ | つるバラ »

2012年5月20日 (日)

「見出された恋」

A595d0920ea014da5a5f9110_l__aa300_


岩下尚史氏は日本文化、伝統芸能、花柳界に通じた
多才な文筆家です。

テレビでのおねえ系の佇まいは一見びっくりしますが、
話し出すとその深い知識と見識に引き込まれます。

「見出された恋」は三島由紀夫と10歳年下の女性と
の恋を小説のかたちで描いた作品です。

”千代田の松の葉色(はいろ)も時めく濠端(ほりばた)
を、国立劇場指して行く車上の夫人は、夢の間(ま)も
惜しいような春の眺めに心を遣(や)りつつ、清らかな
襟元(えりもと)を閑(しず)かに合わせた。”

書き出しを読み始めると自然と声に出して読みたくな
ってきます。

それは文体のリズム感とそして"ふりがな"の効果だと
思われます。

全て計算しつくしてあって、本を読むということは目で
文を追って知識を得るだけのことではなかったのだと、
思い知らされるのです。

ふりがなに助けられて音読していくと今まで曖昧だった
読み方が腑に落ちて、それも嬉しい。

私の江戸好きのDNA(父方の祖母の趣味趣向)が呼び
覚まされてきました。

|

« 南 直哉院代 | トップページ | つるバラ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 南 直哉院代 | トップページ | つるバラ »