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2015年12月15日 (火)

母のホーム

   8

「T子さんはどんな方だったんですか?何がお好きでしたか?」

介護スタッフのYさんが帰る私をエレベーターのところまで追って
きて呼び止めると、聞いてきました。
皆さん親しみを込めて母のことを名前で呼んでくださいます。

「T子さんのことが知りたいんです。大好きなので」

Yさんは以前、母がものが呑み込めなくて弱っていった時も
諦めずに三度三度の食事のときに、起こしては食べさせようと
してくれました。

この時は、医師がーもう食べる気力がないですねーと諦めて
いたにもかかわらずスタッフの方々は誰もそんな風には見て
いませんでした。やはり普段から間近で接している方には敵
いません。

「母が好きなのは麻雀で、強かったんですよ。賭才もあって。
それからとても活動的で泳ぎに行ってバタフライまでやったり、
大田市場に美味しい、珍しい果物を探しに行って友達に箱で
送ったりしていました」

「まあ!全然違うイメージでした。
綺麗な刺繍のものがお部屋のウィンドーに飾ってあるので
そういうのを作るのが好きな方と思っていました。
活発だったんですね」

もう私が話しかけても反応がないのに、スタッフの方とは会話
もあるそうなのです。会話といっても 単語。

一時のブームは”はやひこさん”

みんなダンディーな父のことは写真でご存知なのです。

たまに ”ゆいこ” みたいに聞こえることもあります。

このようなステキなスタッフが育っているホームがあるんで
すね・・・

もう10年、ホームと付き合ってきましたが、今は全部が良い
ほうに回っていると思います。穏やかな男性スタッフばかり、
気立てのいい女性スタッフばかりです。

人は弱いもので、いいものばかりに囲まれていれば自分も
良くなるし、悪い種が混じってくるとそちらに引っ張られてし
まいがちです。

思い切って私に話しかけてくれて目が潤むYさんと話しなが
ら、私も感謝で胸が詰まりました。

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